松本潤さん、荒波を越えて再出発

──「嵐」解散後も独立と主演作で歩み続ける、その現在地

国民的グループ・嵐の活動休止から6年――
2026年、正式な解散が発表されました。
激動の芸能界のなかで、松本潤さんは静かに、しかし確かな足どりで次のステージへと進んでいます。大河主演、独立、そして新作ドラマ――数々の転機をへた彼の現在地をたどります。

私事ですが、亡くなった母親が最後まで松本潤さんのファンでした。
今、彼の歩みをそっと見つめたくなったのです。

目次

1|嵐解散から独立へ

1999年のデビュー以来、日本の音楽・エンタメ界をけんいんしてきた嵐。2020年末に活動休止、そして2026年5月には正式な解散が発表されました。
松本潤さんは、俳優業や演出業など多岐にわたる表現に挑み続け、常に第一線で活躍。2024年5月にはSTARTO ENTERTAINMENTからの独立を発表し、翌月には個人事務所「MJC Inc.」を設立。エージェント契約で「嵐」との関係を保ちながら、自由な創作の場へと舵を切りました。

2|大河ドラマで初主演、新会社も設立

023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』では、初の大河主演に挑戦。頼りなさと成長を併せ持つ“ヘタレ家康”像を丁寧に演じて、俳優としての成熟を印象づけました。
翌年には「MJC Inc.」を設立し、映像プロデュースなど新たな表現の地平も見すえています。

3|新ドラマ『19番目のカルテ』でさらなる飛躍

2025年7月13日より、TBS系日曜劇場『19番目のカルテ』で主演をつとめています。
本作は、富士屋カツヒト氏の同名コミックを原作としたヒューマン医療ドラマで、松本潤さんにとっては約2年ぶりのドラマ出演、7年ぶりの日曜劇場となります。

彼が演じるのは、魚虎総合病院に新設された「総合診療科」に所属する医師・徳重晃。専門医制度が整備された現代医療において、臓器別ではなく“人間全体”を診るという新しい医師像を体現する役どころです。
徳重の最大の武器は「問診」。患者の言葉に耳を傾け、生活背景や心の状態までを見すえて診断を導く――そんな医師像は、従来の医療ドラマとは一線を画しています。

松本潤さんはこの役にあたり、実際の総合診療医に取材を重ね、「たいていのことは問診で見つけられる」という言葉に深く感銘を受けたと語っています。
一見つかみどころのない徳重ですが、その内面には「人を救いたい」という強い信念が宿っており、松本潤さん自身も「ぽわぽわしているように見えて、裏では常に考えている」と語り、自身との共通点を感じているようです。

共演には小芝風花さん、新田真剣佑さん、木村佳乃さん、田中泯さんなど実力派がそろい、脚本は『コウノドリ』シリーズの坪田文氏が担当。
主題歌にはあいみょんさんの新曲「いちについて」が起用され、作品全体に温かく静かな力強さを添えています。

4|“演じる”から、“生きる”へ

松本潤さんは、かつての“アイドル”という枠を超え、今や“表現者”としての存在感を確立しつつあります。『花より男子』の道明寺司、『99.9』の深山大翔、そして『どうする家康』の家康――それぞれ異なる役柄を通して、彼は常に「人間の奥行き」を描いてきました。

『19番目のカルテ』で演じる徳重医師もまた、静かな対話と観察を通して人を救う人物です。松本潤さんの演技は、“演じる”を超えて、“生きる”そのものに触れるような力を持ち始めているのかもしれません。

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